iPhone で動画を文字起こしする、2026年に使えるアプリ
iPhone で撮った動画をテキストにするには、長いあいだ、オンラインのサービスにアップロードして文字起こしが返ってくるのを待つしかありませんでした。状況が変わったのは2022年9月、OpenAI が Whisper を公開したときです。スマートフォンでも動くほど小さな音声認識モデルでした。数か月のうちに、これをオフラインで使うアプリがいくつか登場し、Sindre Sorhus 氏の Aiko や、MacWhisper の iPhone 版がその例です。後者は App Store では Whisper Transcription という名前で公開されています。
Apple の対応は段階的でした。iOS 18 では、ボイスメモとメモが、それぞれのアプリ内で録音した音声の文字起こしを始めました。iOS 26 では、システムの音声認識エンジン SpeechAnalyzer が他の開発者のアプリにも開放されました。Scribbler はこのエンジンの上に作られたアプリで、開発者はこのサイトの運営者でもあります。
その間にも、クラウド型のサービスがなくなったわけではありません。Otter、Notta、Transkriptor、Transcribe は今もファイルを自社のサーバーにアップロードします。その代わりに、端末上ではまだ珍しい機能を備えていて、話者の識別がその筆頭です。
端末の中で文字起こしするアプリ
Aiko は買い切りのアプリで、アカウントは求められず、App Store の掲載情報によればデータも収集しません。音声と動画は、写真ライブラリのものも含めて読み込め、文字起こしはテキストか SRT 字幕として保存できます。話者の識別はしません。購入前に試したい場合は、Apple のテスト版配信プログラム TestFlight を通じて14日間使えます。
Whisper Transcription は仕組みが違います。ローカルモデルは無料で、サブスクリプションが必要なのは、クラウドでの文字起こしや AI 機能を使いたい人だけです。mp4 や mov を含む一般的な形式を読み込め、クラウドでの文字起こしなら話者も識別します。書き出しについては、SRT に近い字幕形式の VTT に対応していると開発元が記載しています。iPhone 版の SRT については記載がありません。
Scribbler は Whisper の代わりに Apple のエンジンを使っています。iOS 26 が必要なのも、文字起こしの品質が Apple の用意する言語ごとのモデルに左右されるのも、そのためです。テキストは文ごとに分かれ、それぞれにタイムスタンプが付きます。書き出しはプレーンテキスト、PDF、Markdown、SRT 字幕に対応しています。無料プランでは1日10分まで文字起こしでき、それを超える場合はサブスクリプションか買い切りが必要です。Scribbler も、今のところ話者の識別はできません。
クラウドで文字起こしするアプリ
Otter は会議向けに作られたアプリです。誰が話しているかを識別し、繰り返し登場する声は、使ううちに聞き分けられるようになります。アカウントが必要です。無料プランには月300分が含まれますが、読み込めるファイルは3つまでで、SRT 字幕の書き出しは有料プランに限られます。
Notta の iPhone アプリは、ゲストモードなら登録なしで使えます。ただし無料プランで文字起こしされるのは、読み込んだファイルごとに最初の3分だけで、話者の識別は Premium プランに含まれます。書き出し形式には SRT もあります。
Transkriptor は、端末から音声や動画をアップロードし、話者を識別します。書き出しは SRT、PDF、DOCX、TXT に対応しています。アカウントが必要です。
開発元 DENIVIP の Transcribe は、読み込んだファイルをクラウドで文字起こしします。ライブ録音はオフラインでも動作します。最初の30分は無料体験で、その後はサブスクリプションか、有効期限のない時間パックで支払います。話者を分離でき、SRT の書き出しは PRO 版に含まれます。
Apple のアプリ
ボイスメモとメモは、それぞれのアプリ内で録音した音声を文字起こしします。無料で、最初から入っていて、iPhone 12 以降が必要です。すでに端末にある動画にはあまり役に立ちません。Apple のガイドには、動画ファイルの読み込みも、SRT での書き出しも、話者の識別も説明がないためです。
まとめ
ファイルを端末の外に出したくない場合、現時点の選択肢は三つあります。Whisper Transcription はローカルモデルなら無料、Aiko は一度払えば済み、Scribbler は毎日10分までなら無料で使えますが iOS 26 が必要です。複数人の会議のように、誰が何を言ったかが重要な場面では、Otter、Notta、Transkriptor、Transcribe が話者を識別します。ただし、文字起こしが各社のサーバー上で行われることを受け入れられる場合に限ります。
一覧
| アプリ | 文字起こしの場所 | 動画を読み込める | アカウントが必要 | 無料プラン | 料金体系 | SRT 字幕 | 話者を識別 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Scribbler | 端末内 | はい | いいえ | 制限付きで無料 | サブスクリプションまたは買い切り | はい | いいえ |
| Aiko | 端末内 | はい | いいえ | お試しのみ | 買い切り | はい | いいえ |
| Otter | クラウド | はい | はい | 制限付きで無料 | サブスクリプション | はい | はい |
| Transkriptor | クラウド | はい | はい | 記載なし | サブスクリプション | はい | はい |
| Transcribe | クラウド | はい | 記載なし | お試しのみ | サブスクリプションまたは買い切り | はい | はい |
| Notta | クラウド | はい | いいえ | 制限付きで無料 | サブスクリプション | はい | はい |
| Whisper Transcription | 両方 | はい | 記載なし | 無料 | サブスクリプション | 記載なし | はい |
| Apple のボイスメモとメモ | 記載なし | 記載なし | 記載なし | 無料 | 無料 | 記載なし | 記載なし |
出典
データは米国の App Store の掲載情報と各開発元のサイトによるもので、2026年9月30日に確認しました。
- Scribbler
- Aiko
- Otter
- Transkriptor
- Transcribe
- Notta
- Whisper Transcription
- Apple のボイスメモとメモ